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2024年1月以降の相続よりマンションの評価額が変わりました

「タワマン節税」という言葉は聞いたことがありますか?

一般的にタワーマンションは敷地に対して1室の面積が極端に小さいので、戸建てに比べて土地の相続税評価額が極端に安くなります。

また、タワーマンションの中でも、高層階は低層階より市場価格が極端に高いにも関わらず、建物の評価額があまり変わらないことから、タワマンの高層階に住むことは相続税対策になるという考え方です。

 

このような過度な相続税対策に歯止めをかけるべく、2024年1月以降に発生した相続で、マンション1室の評価水準が時価の6割に満たない場合には、評価額がアップします。これにより、極端な節税効果はなくなるというわけです。

この計算方法は、あくまで区分所有権を持っている総階数3以上のマンションの場合のみに適用であり、マンション1棟まるごと所有している場合や、居住できない事業用テナント物件に適用はありません。

 

この評価方法は、従来の評価額に「区分所有補正率」を乗じて計算します。

具体的に、どのような条件で変わってくるのか確認してみましょう。

まず、区分所有補正率を求めるためには、このマンションの相続税評価額が実勢価格とどのくらい乖離しているのかを表す、「乖離率」を求めます。「乖離率」の計算式は少々複雑なのでここでは省略しますが、必要な情報は、「建物の築年数(1年未満切り上げ)」、「建物の総階数(地階除く)」、「専有部分の所在階」、「敷地利用権の面積(敷地面積に敷地権又は共有割合を乗したもの」、「専有部分の面積」となります。

 

そしてこの「乖離率」を使って「評価水準」を算出します。

計算方法は、1÷「乖離率」=「評価水準」となります。

 

そして評価水準の値によって、区分所有補正率が決定します

  1. 評価水準<0.6 : 区分所有補正率=評価乖離率 × 0.6
  2. 0.6 ≦ 評価水準 ≦1 : 補正なし
  3. 1 < 評価水準 : 区分所有補正率=評価乖離率

 

区分所有補正率が実際にはどのくらいの数値になるのか気になると思いますので、例として、数パターンのマンションを挙げてみたいと思います。

A: 築年数5年、31階建30階部分59.69㎡所有、敷地面積3,000.00㎡、敷地権5969/1200000

区分所有補正率=2.112

B: 築年数15年、11階建3階部分59.69㎡所有、敷地面積3,630.30㎡、敷地権6319/1150000

区分所有補正率=1.4742

C: 築年数32年、5階建3階部分59.69㎡所有、敷地面積1,500,00㎡、敷地権5969/300000

 補正なし

D: 築年数50年、3階建1階部分40.00㎡所有、敷地面積300.00㎡、共有割合1/12

 区分所有補正率=0.862

 

このように実勢価格が著しく高いマンションにおいては、所有補正率が上がり、従来の評価額の倍額以上になることもあり得ます。一方、実勢価格より相続税評価額が高くなるようなマンションにおいては、適正額まで引き下げてくれます。

 

マンションの相続の予定のある方は、一度専門家に相談してみることをお勧めします。