税務トピックス

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遺産、どう分けたらいい?・・・・①遺言書がある場合

相続が発生した際に、残された財産を相続人の間でどのように分けるか・・・・

これは誰もが気になる問題だと思います。

 

相続が発生した場合、遺産分割の方法は次の3パターンにあてはまります。

 

  1. 遺言書がある場合、遺言書通りに分割する。
  2. 法定相続分で分割する。
  3. 相続人全員で協議して決定し、遺産分割協議書を作成する。

 

まず、遺言書がある場合は、原則としてその内容のとおりに遺産分割を行います。

遺言書の内容は最も優先されるものになりますので、基本的には従うしかありません。遺言書を破棄又は偽造した場合は「私文書偽造罪」や「使用文書毀棄罪」などが成立し、相続する資格を失います。

よって遺言書の存在を知った時は、絶対に隠してはいけません。

 

しかし、どうしても納得できないような内容でも従わなくてはならないのでしょうか。

 

結論として、遺言書が存在しても、それに従わなくても良い事例はあります。

それは、相続人全員が遺言書通りに分割しないことに同意する場合です。相続人全員以外にも、遺言書に遺贈する旨の記載があった場合は、受贈者の同意も必要です。

また、遺言執行者の指定がされている場合は、その遺言執行者の同意も必要です。誰もが納得できないような常軌を逸した内容や、皆が損をしてしまうような場合は、全員が同意することもあり得ます。

 

誰か1人に不公平な内容であっても、得をする人物が納得するとは限りません。また、「相続人以外の第三者に全額遺贈する」など、相続人全員が到底納得できない内容でも、その第三者が納得してくれるとは限りません。

 

よって、遺言書が存在する場合は、ほぼその通りに分割することになる場合が大半です。

(もちろん遺留分の請求はできます。)

 

しかし、そもそも遺言書自体が無効というケースもあります。

遺言書は民法が定める方式を守る必要がありますが、それを満たしていない場合は無効になります。

明らかに形式を逸脱しているもの以外は、遺言能力の問題は裁判等で明らかにしていく必要があるので、やはり難しいと言えるでしょう。

 

逆を言うと、正しい遺言書さえ残しておけば、自分の遺産の分け方は自分で決められるということになります。

しかし、分け方によっては残された相続人同士の分断にもつながりかねませんし、何よりも相続税の総額が大きく変わってきます。

 

こちらの事務所では遺産の分割のパターンによって相続税がどのくらい変わるのか、シミュレーションをすることができます。生前対策をお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。

 

次回は2番目の「法定相続分で分けた場合」について詳しくお話します。