税務トピックス
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 今月中に賃貸借契約書の確認を!

今年も無事に確定申告が終了いたしました。

ホッとしたのも束の間、今年は10月1日の消費税率引上げがありますので、それに向けての準備が必要になってきます。

特に注意が必要なのが『経過措置』です。

本日は、いくつかの経過措置の中から、今月中が期限となっている『資産の貸付けの経過措置』についてご紹介したいと思います。

本年3月31日までに締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、本年10月1日前から引き続き資産の貸付けを行っている場合、当該契約内容が【表】の「(1)及び(2)」又は「(1)及び(3)」の要件に該当するときは、原則、同日以後の当該資産の貸付けにも現行の消費税率8%が適用されます。

一般的に不動産の賃貸借契約について経過措置の適用を受けるものとしては、「(1)及び(2)」を充足する形の契約書となるようですが、ここで注意が必要なのが、国土交通省が公表している賃貸住宅標準契約書等のように、経済状況の変動等で賃料を改定できるといった条項が盛り込まれていることが多く、このままだと(2)の要件を充足しないことです。

是非ここで一度契約書の内容をご確認いただき、必要に応じて新たに契約を結び直す等のご対応をお勧めします。

【表】資産の貸付けの経過措置(「(1)及び(2)」又は「(1)及び(3)」の充足が必要) 

(1)当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること。
(2)事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
(3)契約期間中に一方又は双方がいつでも解約の申し入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること。